シェアオフォスに入っている企業と取引するリスク

個人情報の漏洩が叫ばれる中、企業の情報管理体制は無くてはならないものになっています。それは自社だけでなく、取引する企業においても同様です。コスト削減を念頭に考え、実績や信頼性のない会社や個人事業主と契約することはある意味リスクとなり得ます。また、テレワークやリモートワークが定着した現在では、相手との打ち合わせ場所もカフェや自宅などさまざまです。そうなるとセキュリティは非常に緩くなり、どこで情報が洩れてもおかしくない状況となります。

そんななか、レンタルオフィスやシェアオフィスといった安価なオフィスを利用する小規模事業者が増えています。企業や副業がしやすい現在、ITを中心としたビジネスであれば、リアル店舗を必要とせずにビジネスを立ち上げられるため、シェアオフィスをベースにビジネスをする人と取引する機会は今後増えてくると思ってよいでしょう。

しかしながら、そこで考えなければならないのが、安全性です。このようなオフィスを利用する企業と取引する場合、セキュリティ面や取引リスクはないと言い切れるのでしょうか?

ここではビジネスする上で、シェアオフォスに入っている企業と取引するリスクについて見ていきます。

シェアオフィスとは?

シェアオフィスは、複数の企業や個人が共同で使用するオフィススペースのことを言います。シェアオフィスには、デスクスペースや会議室、インターネット接続といった基本的なオフィス設備のほか、フリードリンクなどが設置されているところもあります。

シェアオフィスの利用者は契約していれば営業時間内はいつでも利用可能。とくにシェアオフィスはスタートアップ企業、個人事業主など、柔軟な働き方を求める現代のビジネスパーソンに人気があります。ちなみに、レンタルオフィスとシェアオフィスはよく混同されるオフィス形態ですが、基本的にシェアオフィスは共有スペースの利用、レンタルオフィスは占有スペースの利用といった違いがあります。しかしながら、運営会社によって線引きがわかれ、レンタルオフィスとシェアオフィスが混在されて表記されていることもあります。

レンタルオフィスとは?

一方レンタルオフィスは、企業や個人事業主が中・長期間で使用するために借りることができるオフィススペースを言います。レンタルオフィスは、シェアオフィスと同様オフィス家具やネットワーク環境をはじめとした必要なオフィス設備が整っていることから、小規模事業者にこちらも人気です。
なかには、完全個室型のレンタルオフィスも存在し、セキュリティや取引上のリスクに関しては、賃貸オフィスと比べても遜色ないと言えるでしょう。

シェアオフィスの安全性・セキュリティについて

シェアオフィスは不特定多数の企業が入居するといったコワーキングスペースとは異なるものの、他の企業とスペースを共有する形でオフィスを獲得できるオフィス形態になります。そのため、安全性やセキュリティ面については普通に賃貸契約をしているオフィスと比べるとどうしても弱くなってしまうというのが現実ではないでしょうか。

もし取引相手がシェアオフィス利用者の場合、情報漏洩リスクを考えて、以下のような点に気を使っているかどうかを知っておくと安心かもしれません。可能であれば、取引先まで出向いてどんなところで仕事をしているかを確認しておくのもありでしょう。

シェアオフィスを利用している会社との取引において、安全性・セキュリティについては次のような点を確認しておくとよいでしょう。

共有スペースやラウンジの有無

シェアオフィスでは、会議室やラウンジなどの共有スペースがあるのが基本です。これらの場所での会話が他の利用者に聞かれる可能性があり、企業やプロジェクトの機密情報が漏れるリスクがあります。まだ限られた室内やスペースであれば漏洩リスクは低減されますが、オープンラウンジなどが置かれているようなところで、オンライン会議が行われるようなことは絶対にないようにしておく必要があります。

有人オフィスか無人オフィスか

レンタルオフィスやシェアオフィスはコスト的な問題によって無人オフィス化されているところも見られます。そのようなオフィスの場合はセキュリティ面において注意が必要です。有人オフィスであれば入り口に受付スタッフがいて入退出管理を行えますが、無人オフィスの場合には、入退室の方法はさまざまあれ、オートロックがあるとこもあればないところもあるでしょう。つまり、自由に人が出入りできる環境のオフィスもあるということです。
有人オフィスか無人オフィスかどうかは、情報漏洩リスクに直結するような大きなポイントとなります。

個室部分の防音対策

シェアオフィスの中にはレンタルオフィスのように個室化されているところもあります。個室化されているスペースは一見セキュリティ的にも安心できるように思えるかもしれません。しかし、音漏れはシェアオフィスにおいて結構無防備なところであることにお気づきでしょうか。個室が完全防音対応されているようなシェアオフィスであれば問題ありませんが、通常はそこまでしっかりとされておらず、単にスペースをわけているにすぎません。そのため、スペース上部分が空いているなんて言うことはざらにあります。そうすると、オンライン会議の声は隣の部屋に丸聞こえだったりすることも普通にあるのです。

よってオンライン会議を頻繁に行う場合、まわりの環境についてはしっかりと取引相手に確認した上で会議に臨むことが鉄則です。単にパーテーションで区切られたようなところや後ろを人が通り過ぎるような環境でオンライン会議を行っているようであれば、指摘してあげることも必要となります。

無料Wi-Fi接続

今やどこでもネット接続できる環境は必須の時代です。カフェなどでもFree Wi-Fi接続ができないところは選択肢にも挙がらないほどでしょう。

そんな状況だからこそ、シェアオフィスのWi-Fi接続も気軽に行えますが、ほとんどのシェアオフィスでは利用者個別にID/Passを付与している訳ではなく共通のID/Passを渡してネット接続してもらうのが一般的です。そのようなケースだと、情報が盗み見みされても文句が言えず、情報漏洩リスクは高まります。

取引している企業がIT関連企業であり、個人情報の管理を任せているといった場合には、常用管理を徹底させておく必要があります。また、データ暗号化やVPNの使用などデジタルセキュリティを強化している会社かどうかを確認した上で取引に応じるのが安全です。

シェアオフィスを利用する相手と取引するリスク

シェアオフィスを取り巻く環境は必ずしも安全性が高いとは言えないのが事実です。しかしながらシェアオフィスを利用する人も増え、世の中がIT社会になっておりパソコンやスマホなしに仕事ができない時代には、シェアオフィスやレンタルオフィスを利用してビジネスをする人がますます増加することが考えられます。その昔、バーチャルオフィスやレンタルオフィス、シェアオフィスに住所を置く企業は怪しい、などということを言われていたこともありました。しかし、2006年の新会社法ができて以降、1円から起業できる時代ではそこまでとやかく言われることはなくなりました。

さらにコロナ禍となり、オフィスに出社できない時期にはシェアオフィスやレンタルオフィスを利用する人が増えました。そしてその安価な価格設定からこれまで賃貸オフィスを利用していた企業も、シェアオフィスやレンタルオフィスを利用することでコストを低減させることにメリットを感じ、オフィスの縮小化にシェアオフィスを使うところがでてきたのです。

そんな一般的な知名度やステータスを確立したシェアオフィスをとはいえ、取引する企業の信用調査などを行った結果、シェアオフィスを利用している会社だとわかり上から取引を一旦保留にするよう言われたことがある人ももしかしたらいるのではないでしょうか。

シェアオフィスやレンタルオフィスを利用しているからといって、企業的に問題があるわけでは決してありませんが、オフィス環境が情報漏洩しやすい状態にあることはまぎれもない事実。そのようなことで、取引を慎重に考えるのであれば仕事環境についても事前確認が必要です。

シェアオフィス利用企業は住所を調べればわかる場合も

たとえば、シェアオフィスを利用しているかどうかは法人の住所を見ればわかることもあります。レンタルオフィスやシェアオフィス、バーチャルオフィスで法人登記可能なところは、複数の企業の住所が同じとなります。人気のあるオフィスの場合には数百の企業が同じ住所となっていることもあるため、比較的わかりやすいかもしれません。ただ、利用しているシェアオフィスが住所情報を公式サイトに表記する際に、テキスト情報としてではなく画像で住所表記するように指示しているところもあるので、一概にすべて把握できるわけではない点は知っておきましょう。

シェアオフィス利用企業との取引においては契約書締結が必須

すべてのビジネスにおいて契約書を交わすことをしている企業は大企業であれば往々にしてありますが、中小企業だとなんとなく行き当たりばったりで取引が始まったために、契約書締結をせずに取引スタートしてしまったという事もあるのではないでしょうか。

これまでは契約書に疎かった企業も、これからはサイト構築や運用保守、サーバー管理、アプリ開発などを行う際には、すべて契約書の締結は必須です。その契約書の中には、情報の取り扱いや漏洩した際の対処方法などの項目を記載し、極力リスクとなる課題を排除しておきましょう。契約書でしっかりと固めておけば、取引相手も情報管理に気を使うようになりますし、もし漏洩した際に罰則が生じるとなれば安易な対処はしないはずです。

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