完全個室とシェアオフィス、感染リスクで選ぶならどっち?

レンタルオフィスを探していると、「完全個室とシェアオフィス、どちらを選べばいいの?」と迷うことがあります。

料金や立地、設備など比較するポイントはいくつもありますが、意外と見落とされやすいのが感染症のリスクです。

新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪などを考えると、毎日のように長時間過ごすオフィスだからこそ、できるだけ人との接触を少なくしたいと考える方もいるでしょう。

特に、

  • 電車通勤後に長時間仕事をする
  • 不特定多数の人が利用する場所が気になる
  • 社内で感染が広がるリスクを抑えたい
  • 来客が多い
  • 経営者や少人数のスタッフだけで静かに仕事をしたい

という方にとって、オフィスの形態は重要です。

では、感染リスクという観点だけで比較した場合、完全個室レンタルオフィスとシェアオフィスではどちらが適しているのでしょうか。

結論からいうと、換気などの条件がきちんと整っていることを前提にすれば、感染リスクをできるだけ抑えたい方には、完全個室型のレンタルオフィスのほうが選びやすいといえます。

その理由を、誰にでも分かるように解説していきます。

そもそも完全個室とシェアオフィスは何が違う?

まずは両者の違いから確認しておきましょう。

完全個室レンタルオフィスとは?

完全個室レンタルオフィスとは、壁や扉によって他の利用者のスペースと区切られた専用の部屋を利用できるオフィスです。

一般的には、「自分の会社専用の小さな事務所を借りる」というイメージに近いでしょう。

机や椅子、インターネット環境などが用意されている施設も多く、一般的な賃貸事務所よりも手軽に事業拠点を持てるのが特徴です。

シェアオフィスとは?

一方、シェアオフィスは、ひとつの大きなスペースを複数の会社や個人で共同利用する形態です。

大きな部屋に複数のデスクが並び、それぞれの利用者が好きな席で仕事をするフリーアドレス型などが代表的です。

利用料金を抑えやすく、仕事をする場所を手軽に確保できるというメリットがあります。

また、他の事業者との交流やビジネスマッチングを目的に利用されることもあります。

つまり、非常に簡単にいえば、

完全個室=自分たちだけの部屋

シェアオフィス=他の利用者と仕事場を共有

という違いがあります。

感染リスクを考えると重要なのは「人との接触」

感染症といっても感染経路はさまざまなので、「個室なら絶対に感染しない」「シェアオフィスだから感染する」と単純に決めることはできません。

ただし、呼吸器感染症の対策を考える際には、人との接触機会や距離、混雑状況、換気、同じ空間にいる時間などが重要になります。

厚生労働省も、不特定多数の人がいる場所では、換気を行ったり、人との間隔を確保したり、混雑を避けたりすることによって呼吸器感染症の感染リスクを下げられるとしています。

この考え方をオフィス選びに当てはめてみると、完全個室とシェアオフィスの違いが分かりやすくなります。

シェアオフィスはどうして人との接触が増えやすい?

シェアオフィスの大きな魅力は、さまざまな人が同じ場所を利用できることです。

しかし感染リスクという観点だけで考えると、この特徴がデメリットになる場合があります。

たとえば、50人が利用するシェアオフィスなら、自社とはまったく関係のない企業の社員やフリーランスなどが同じ空間にいる可能性があります。

毎日同じ人が利用するとも限りません。

今日利用している人と、明日利用する人が異なるケースもあります。

つまり、自社だけで感染対策を徹底したとしても、同じ空間を利用する人すべての行動まで管理することはできません。

ここが自社専用オフィスとの大きな違いです。

完全個室なら接触する人数を限定しやすい

完全個室レンンタルオフィスの場合、基本的には専用の部屋で仕事をします。

仮に3人の会社であれば、仕事中に長時間同じ空間で過ごすのは基本的にその3人です。

もちろん、廊下、エレベーター、トイレなどでは他の利用者と会うことがあります。

しかし、仕事をしている数時間については、シェアオフィスのように多数の利用者と同じワークスペースを共有する必要がありません。

たとえば、

シェアオフィス
→ 周囲に誰が座るか分からない

完全個室
→ 基本的には自社のメンバーだけ

という違いがあります。

感染リスクを考える場合、「何人が建物を利用しているか」より、「何人と同じ空間で長時間過ごすか」という視点が大切です。

その意味では、接触する人の範囲を限定しやすい完全個室にはメリットがあります。

「知らない人の隣で長時間働く」状況を避けやすい

シェアオフィスでは、デスクとデスクの距離が近い施設もあります。

隣の利用者がオンライン会議をしていたり、電話をしていたりすることも珍しくありません。

会話や咳、くしゃみなどがある環境では、周囲への配慮も必要になります。

厚生労働省は、一般的な感染症対策として、手洗いや咳エチケットなどの実施を重要としています。

完全個室なら、少なくとも通常の業務中は、不特定多数の人がすぐ隣で長時間仕事をするという状況を避けやすくなります。

これは感染症対策だけでなく、

  • 集中して仕事ができる
  • 電話の内容を聞かれにくい
  • WEB会議をしやすい
  • 他人の会話が気になりにくい

といった仕事環境としてのメリットにもつながります。

共用設備の多さも比較してみよう

もうひとつ確認したいのが、共用設備です。

シェアオフィスでは、

  • デスク
  • 椅子
  • 会議室
  • 電源
  • コピー機
  • ドア
  • ロッカー
  • 給湯スペース

など、多くのものを複数の利用者で共有します。

完全個室レンタルオフィスでもトイレやエレベーター、会議室などは共用となる場合がありますが、少なくとも自分のデスクや椅子、仕事をする部屋については専用にできる施設が多いという違いがあります。

厚生労働省では、手洗いや手指衛生に加えて、身の回りの物を適切に消毒することによって手指に付着するウイルスを減らすことが期待できると説明しています。

そのため、「できるだけ多くの設備を自分専用にしたい」という考え方でオフィスを選ぶのであれば、完全個室のほうが相性は良いでしょう。

ただし「完全個室なら換気しなくても大丈夫」は間違い

ここは非常に重要です。

完全個室だからといって、感染対策について無条件で優れているわけではありません。

特に確認したいのが換気です。

完全個室は人との接触を減らしやすい一方、狭い部屋を締め切った状態で複数人が長時間過ごせば、換気状態によっては好ましくありません。

厚生労働省も、換気の悪い密閉空間を避けるため、換気設備を適切に運転・点検することなどを示しています。

したがって、完全個室レンタルオフィスを選ぶ際には、「個室かどうか」だけではなく、「きちんと換気される個室かどうか」まで確認することが大切です。

窓がない個室だから危険、窓があるから安全、と単純に判断することもできません。

窓がなくても、適切な機械換気設備によって換気されている施設があります。

反対に、窓があってもほとんど開けず、十分な換気が行われていないケースも考えられます。

内覧の際には、「個室内はどのように換気されていますか?」と確認してみるとよいでしょう。

完全個室でも共用部分は存在する

完全個室レンタルオフィスでも、建物全体が自社専用になるわけではありません。

一般的には、

  • 受付
  • 廊下
  • エレベーター
  • トイレ
  • 給湯室
  • 会議室

などは他の入居者と共用します。

したがって、感染リスクがゼロになるわけではありません。

たとえば朝の出勤時間にエレベーターが混雑する施設であれば、そこで他の利用者と接触する機会があります。

共用会議室を頻繁に利用する会社であれば、個室を契約していても共有空間を利用する時間は増えます。

そのため、感染対策を重視してレンタルオフィスを選ぶなら、専有スペースと共用スペースを分けて考えるのがおすすめです。

完全個室を選ぶときに確認したいポイント

感染リスクを重視するなら、「完全個室」という言葉だけを見て契約するのではなく、実際の施設を確認しましょう。

特に見ておきたいのは次のようなポイントです。

個室が本当に独立しているか

施設によっては「個室」と表示されていても、壁の上部が開いていたり、天井まで完全に仕切られていなかったりする場合があります。

プライバシーや防音性も含めて考えるなら、床から天井付近までしっかり区切られた完全個室なのか確認したほうがよいでしょう。

個室の換気方法

機械換気なのか、窓による換気なのか、個室の空気がどのように入れ替わるのかを確認します。

共用部分が混雑していないか

受付、エレベーター、廊下、トイレなどもチェックしましょう。

内覧は可能であれば実際の利用者がいる時間帯に行うと、混雑状況を把握しやすくなります。

会議室の予約状況

来客が多い会社の場合は会議室を頻繁に使用することになります。

会議室の数や広さ、換気状況なども確認しておくと安心です。

清掃体制

共用部分がどの程度の頻度で清掃されているかも確認しておきたいポイントです。

シェアオフィスにもメリットはある

ここまで読むと、「それならシェアオフィスを選ぶメリットはないのでは?」と思うかもしれません。

もちろん、そのようなことはありません。

シェアオフィスには、

  • 利用料金を抑えやすい
  • 必要なときだけ利用しやすい
  • 契約の自由度が高い施設がある
  • 他の利用者と交流できる
  • フリーランスや起業直後でも利用しやすい

など、完全個室とは違ったメリットがあります。

たとえば、月に数回しかオフィスを使わない人であれば、高い料金を払って完全個室を持つよりもシェアオフィスのほうが合理的なこともあります。

また、人との交流を目的にコワーキングスペースを利用する人もいます。

重要なのは、「完全個室とシェアオフィスのどちらが絶対的に優れているか」ではなく、「何を優先するか」です。

料金を優先するのか。

交流を優先するのか。

プライバシーを優先するのか。

感染リスクをできるだけ抑えることを優先するのか。

それによって答えは変わります。

感染リスクを優先するなら完全個室が向いている

では、今回のテーマである、「感染リスクを重視して選ぶならどちらか?」に戻りましょう。

感染症対策では、人との接触、混雑、換気などを考える必要があります。特に不特定多数の人がいる場所では、換気や人との間隔の確保、混雑を避けることなどが感染リスクを下げる対策として挙げられています。

そのため、

シェアオフィス
→ 不特定多数の人とワークスペースを共有しやすい

完全個室レンタルオフィス
→ 日常的に同じ空間で過ごす人を自社メンバー中心に限定しやすい

という違いは、オフィス選びにおいて無視できません。

特に毎日8時間近くオフィスで仕事をする人の場合、短時間利用する施設以上に、日常的な仕事環境をどうするかが重要になります。

社員がいる会社ほど完全個室のメリットは大きい

経営者ひとりだけで利用する場合だけでなく、2人、3人、5人と社員がいる会社にも完全個室は向いています。

たとえば、3人の会社が大規模なシェアオフィスを利用する場合、その3人だけでなく、周囲にいるさまざまな利用者の影響を受けます。

一方、3人専用の完全個室なら、通常の業務時間中に同じワークスペースで接触する人の範囲を限定しやすくなります。

さらに、

  • 社員同士で話しやすい
  • 社外秘の資料を扱いやすい
  • WEB会議を行いやすい
  • 荷物や書類を置いて帰れる
  • 自社専用スペースとして使用できる

といったメリットもあります。

つまり完全個室は、感染リスクだけでなく、会社として日常的に利用するオフィスとしての使いやすさも備えています。

「安いからシェアオフィス」だけで決めない

オフィス選びでは、どうしても料金に目が行きがちです。

たしかにシェアオフィスのほうが月額料金を抑えられる場合があります。

しかし、オフィスは一日の中でも長い時間を過ごす場所です。

月額料金だけでなく、

  • 何人と空間を共有するのか
  • 集中して仕事ができるのか
  • 電話やWEB会議をしやすいか
  • 機密情報を扱いやすいか
  • 感染症が流行している時期でも利用しやすいか
  • 社員が安心して働きやすいか

といった点も含めて判断する必要があります。

月額料金が多少高くなったとしても、日常的に安心して働ける環境を確保できるのであれば、それをオフィスコストの一部と考えることもできます。

結論|感染リスクを重視するなら「換気の整った完全個室レンタルオフィス」

完全個室レンタルオフィスとシェアオフィスには、それぞれメリットがあります。

シェアオフィスは料金を抑えやすく、必要なときだけ利用したい人や、他の事業者との交流を求める人には便利です。

一方、感染リスクをできるだけ抑えるという観点から考えるのであれば、換気環境などがきちんと整備された完全個室レンタルオフィスをおすすめします。

最大の理由は、仕事中に長時間同じ空間を共有する人の範囲を限定しやすいからです。

もちろん完全個室だから感染しないということではありません。

エレベーターやトイレなどの共用部分では他の利用者と接触しますし、換気や手洗い、咳エチケットなどの基本的な感染対策も引き続き重要です。厚生労働省も、手洗いや咳エチケットなどを一般的な感染症対策として挙げています。

それでも、

「毎日、不特定多数の人と同じワークスペースで仕事をする環境」と、「基本的に自社のメンバーだけで専用の部屋を利用する環境」を比べれば、人との接触機会をコントロールしやすいのは完全個室です。

さらに完全個室なら、感染対策だけではなく、プライバシー、集中力、防音性、WEB会議、機密情報の管理など、ビジネス面でもさまざまなメリットがあります。

そのため、「とにかく安く仕事をする場所が欲しい」という場合はシェアオフィス、「日常的に利用する会社の拠点として、感染リスクやプライバシーまで考えて選びたい」という場合は完全個室レンタルオフィスという選び方が分かりやすいでしょう。

特に社員がいる会社や、週に何日もオフィスを利用する方であれば、料金だけでシェアオフィスを選ぶのではなく、換気設備が整った完全個室レンタルオフィスを一度比較してみることをおすすめします。

オフィスは単に「住所を借りる場所」ではありません。

毎日の仕事をする場所だからこそ、料金や立地だけではなく、誰と、どのような空間で、一日を過ごすことになるのかまで考えて選ぶことが大切です。

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