大都市圏オフィスの利用状況とテレワークの実施状況

コロナ禍での働く環境の変化により、普通にオフィスに出て働くスタイルから、時差出勤やテレワーク・リモートワークという働き方が推奨されるようになったここ数年。2022年に入ってからは大企業を中心に、テレワークのスタイルから徐々にまたオフィスに戻ってくるスタイルを取る企業も増えてくるなど、労働環境は目まぐるしく変わっています。

ザイマックス不動産総合研究所が、2021年4月から2022年3月の1年間において、オフィスの在籍人数、オフィス面積や賃料の変化について調査した「大都市圏オフィス需要調査」によれば、オフィスの在籍人数が「増えた」企業は22%、「減った」企業は17%と徐々に増え始めているようです。また、オフィス面積が「拡張した」という企業は6.5%に対し、縮小したと答えた企業は8.1%。テレワークが増えたことでオフィスの存在意義は変わりつつあることがわかります。面積が増えた会社は、拡張移転や新規開設が主で、減った企業は縮小移転となっています。さらに、賃料単価の変化については、面積が縮小した企業では賃料単価が増加したと答えた企業が多くなっていました。

他にも出社率を見ていくと、およそ20%の企業は出社率100%と回答している一方で、27%の企業は出社率が40%以下(週に2日出社する程度)となっていました。コロナが収束に向かう中では出社率100%の企業は20%から24.1%に上昇、残りの企業はテレワークを継続する意向を示しているようです。

テレワークの実施においては、業種的にテレワークが可能な業種・そうでない業種があります。たとえば、出社率100%の企業は建設業や小売業、卸売業といったところが多く、情報通信業ではテレワークが目立ちます。これは情報通信業がパソコンやスマートフォンさえあればリモートでも業務が行える性質によるもので、コロナが収束してもこの傾向は続くことでしょう。

また、同様の調査を東京都も行っているので紹介しておきましょう。東京都が2022年7月11日に報道発表したテレワークの実施率調査についてですが、6月分の調査結果として、都内企業におけるテレワーク実施率は54.6%、これは5月に比べると2.1%減少しています。またテレワークを実施した社員の割合は44.6%、テレワーク実施回数は、週3回以上の実施企業が47.7%となっており、いまだテレワークが多くの企業で行われていることが見て取れます。2022年7月に入り、コロナ感染が増えてきている現状からすると、今後テレワーク今以上に増える可能性も大いに考えられます。ただし、企業の中には、完全に出社しないということで業務がストップすることがないように、テレハーフ(半日・時間単位でのテレワーク)を実施しているところもあるようです。

テレワークを行う意味について

東京商工会議所が2022年3月14日に発表した中小企業のテレワーク実施状況に関する調査によると、テレワークを実施している企業の実施率が多いのは301人以上の従業員がいる企業で最も高く63.6%、50人以下の企業では28.9%となり、企業サイズが小さくなればなるほどテレワーク実施率は下がる傾向にあります。これは代替社員がいる会社ほどテレワークが行いやすく、いない中小小規模事業者ほど難しいということが如実に表れています。実際にコロナ感染拡大が始まった2020年3月以降テレワークを一度も行ったことがないという企業は70%にも上り、多くは中小企業であると推測されます。

また、テレワーク実施の目的ですが、「事業継続性確保のため」という理由が最も多く67.3%、続いて出勤人数抑制が66.4%、その他働き方改革推進や通勤負担の軽減、といったものが上がっています。テレワークが行えない、またお客様来訪がそもそも見込めない企業の場合、事業継続性の確保という観点がそもそも難しい課題であり、働き方改革という部分でBCP(事業継続計画)を見直す良い機会をテレワーク実施で考えさせられた企業も多かったのではないでしょうか。たとえば、飲食業などでは来訪者が見込めなければ、出前スタイルや持ち帰りスタイルを実現。Uber Eatsをはじめとするデリバリースタイルが確立されたのは記憶に新しいでしょう。このようにパラダイムシフトした企業も多く、今後も事業形態の転換を検討している企業の場合、オフィス賃貸を契約解除する、店舗を持たないというところも増えて来るのではないでしょうか。

ちなみに今後のテレワーク実施について、「現在と同水準の実施割合で継続」する企業が全体の61.6%と多く、「実施割合を減少させてテレワークを継続」させる企業は17.5%とかなり低い数値となりました。テレワークの実施は企業にとってもオフィスサイズの減少だけでなく、従業員の雇用確保、交通費や福利厚生費の負担減など良い部分もあります。Zoomのようなオンラインミーティングも増え、業務を滞りなく行う機会は増えました。遠距離との意思疎通を問題なく行うことはこれまでに比べて格段に進化、通信環境がしっかりしていれば不便はありません。その一方でオンラインミーティングの難しさも実感することも感じるようになってきました。それは、画面共有できる以外の情報への理解がわかりにくく、細かいニュアンスの把握や、表情の変化を感じられない、といったコミュニケーション上の問題などがあります。その点はやはりリアルによる対面ミーティングには劣る点です。今後通信環境をさらに整えたところで大きな改善を見込むのはこの部分に関しては難しいと感じます。そういう意味では、リアルなコミュニケーションの場を全くなくすという選択肢はなく、リアルなコミュニケーションを大事にしていくことが企業には求められます。

企業の今後のオフィスの在り方について

今後オフィスはどのような形になっていくのでしょうか?これまでのオフィスの形態のように同じメンバーが同じ時間に一堂に会して仕事をするような時代はすでに終わり、企業もフリーアドレス制を取り入れたり、営業職の場合にはオフィスに席を持たないというところもあったりするなど、成果主義の現在ではオフィスにいなくても業務を行うことが普通となっています。外出先から営業日報を書いて送ることもできますので、オフィスの存在意義というのは、誰かと一緒に働くための労働スペースという意味合いは揺らいでいます。成果主義のみでとらえれば、どこで仕事を行おうと結果を出しさえすれば、企業は評価を行うことができます。しかし、前述したように遠距離間での仕事、テレワークにおいては物理的な距離の問題は避けて通れません。そのため、オフィスとは、リアルなコミュニケーションが必要となる際に活用される場所、という形に変化していくと思われます。

であれば、何も全社員が一堂に集まるスペースはいらなくなります。たとえば、従業員300人の会社でも1回に出社する社員数を100人までにするといった具合に制限ができれば、大きなフロアを借りる必要はありません。これは比較的大きめの企業の場合ですが、中堅中小企業の場合であれば、常時固定でオフィスを借りるよりも、時間貸しのレンタルオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースといったオフィスでも要件を満たすことは可能となります。実際に賃貸オフィス契約を取りやめて、レンタルオフィスに移転した企業もこのコロナ禍にはありました。それにより、大幅なコストダウンを図ることができ、事業継続が可能となったところもあります。オフィスとしては小さくなっても、オフィス機能は維持されます。法人登記を行えばそこが会社の本店所在地になりますし、郵便物もきちんと受け取れます。クライアントが訪問したいと言われれば、備え付けの会議室を予約しておけばいつでもクライアントを招き入れることも出来るでしょう。このように、オフィスを持たなくても、事業を継続できる環境は現在もすでにあるのです。

レンタルオフィスを企業の事業拠点に

東京都内をはじめ、主要エリアの駅周辺にはレンタルオフィスやシェアオフィスが多数存在します。一昔前だと、レンタルオフィスやシェアオフィスといえば、フリーランスが多く集まって新しい事業の創出やビジネスコラボレーションを行う場所として考えられていました。レンタルオフィス側も、ネット検索されると同じ住所が大量に出ることに抵抗を示していた時期もありました(ホームページの住所部分を画像にして表示するように指示するレンタルオフィスもありましたし、現在もあります)。しかし、これからは幅広い規模の企業がレンタルオフィスやシェアオフィスを活用し事業を展開するということがスタンダードになってくると思われます。普段は自宅や近隣カフェで仕事をし、他のメンバーとの交流が必要な場合にレンタルオフィスに集合する、クライアントに訪問するといった形で事業は成り立つものと思われます。

テレワークをきっかけにオフィスを見直す企業は増えました。新型コロナウイルスやロシアによるウクライナへの侵攻など世界的に不安定な要素が多く、全世界で物価上昇が続いている現在、企業のコスト負担となる固定費部分への見直しは急務です。しかし、企業のエンジンとも言える人材は確保する必要があるため、必然とオフィスの見直しが検討されていくことでしょう。賃貸オフィスからレンタルオフィス、シェアオフィスへの移行、さらにはサテライトオフィスの増加といった動きも起こり得ます。オフィスの在り方が大きく見直される時代はすぐそこまで来ています。

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